晴れ渡った空が何処までも続く、今日と言う特別な日。

 崩れた神殿はルイゼルトの命により早急に修理が開始され、何とか元の形を取り戻していた。

 太陽の光も月の光も全て祝福に変えるステンドグラスの光を浴びながら、ファウラは隣を一緒にバージンロードを歩くルイゼルトと共に中央へと進んでいた。

 集まった、同盟国や名の知れ渡る貴族……皆の視線を感じながら、しゃんと背筋を伸ばすファウラは王女として相応しい空気をしっかりと作り出していた。

 今日この日のために作られた純白のドレスが歩く度に、光を纏う。

 庭園に咲いた花のように広がったドレスは、テリーハルテンの街の人達が作った花嫁衣装をアレンジして作られたもの。ドレスからも沢山の祝福の声が聞こえてきて、思わず顔が綻ぶ。

 参列したファウラの姉達は、さまざまな嫌がらせを企んでいた表情だったが、ルイゼルトの美貌に白旗を上げて今は大人しくしているの確認できて、胸を撫で下ろす。

 だが、嫌な気配はすぐ隣からも感じて来ていた。



(ルイの様子が何かいつもと違うのよね……)



 事件があったあの日から、ルイゼルトはまたしても事件の収拾が終わるまで仕事詰めにされていた。