悪魔な国王陛下は、ワケあり姫をご所望です。






 扉の向こうから良い香りが漂ってきて、朝の一杯を嗜むルイゼルトの思い浮かべながら部屋へと入る。



「おはよう!ルイ!」




 扉を開けたファウラは、輝く笑顔の花を咲かせたものの……その花はすぐに萎れた。



「おはようございます。ファウラ様」



 出迎えたのはいつも美味な料理を作り出すシェフの姿と、寂しく静かに空いたルイゼルトの席。待ち望んでいた彼はここには居なかった。



「あの、ルイは?」


「陛下なら朝一の会議があるからと、軽食だけお召し上がっていきましたよ」


「そう……なんだ」



 シェフにエスコートされて席に着いたファウラは、机に次々と並べられていく出来立ての湯気を立てる料理達に元気を出してと言われているような気持になる。

 確かに朝食は一緒に囲むことが出来なかったが、同じ城という敷地内にいるのだ。会えないわけではないと、料理が冷めないうちに美味しく頂くことにした。

 朝食を食べ体力をつけたファウラは、今日と言う日の特訓が待ち受けていて気合を入れて取り組む。例えどんなきつい修行が待っていようとも、ファウラは根を上げることはない。