早速用意された大量の本が積まれた机へと案内されるファウラには、やってやるんだという熱意を漂わせていた。その様子にローレンにも火が着いたと言わんばかりの指導が入る。
頭を抱えそうになる長い国の歴史には、何度もくじけそうになるがルイゼルトを思い浮かべては、またのめり込むように勉学に励んだ。
(ルイにとっての相応しい妃になる。なってみせる!!)
頑張って修行をして、今夜の夕食は無理でも明日の朝にでもルイゼルトに会えるのだ。
鮮明に思い出せるルイゼルトの笑顔を糧に、ひたすら、ただひたすらスパルタな修行を一日中受け続けた。
日が落ちるまで修行を続けたファウラにようやく止めの合図が出て、解放された夕食はいつにも増してかなり美味しかった。
寝る支度を整えて寝台に横になれば、瞬く間に睡魔がファウラを襲う。
今日の自分の出来事を、明日どんな風にルイゼルトが聞いてくれるのか想像すれば楽しい気持ちに心が包まれるが、慣れない事に気を張っていたのか体力はもう底をついていた。
「ルイに……会いたい、な……」
届くこともない思いを口にしながら、その日は知らぬ間に深い眠りに落ちた。
こうして待ち望んだ次の日の朝。
いつものように置かれた棚の上の花瓶の中には、真っ白な花が咲いていた。
(ルイに会える……!)
会いたい気持ちにいつもよりも早く支度を済ませたファウラは、ルイゼルトから貰った大切な髪飾りを輝かせて、日課の庭園には立ち寄らずにダイニングルームへと足を急がせた。



