魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 必死に逃げすぎて全体をゆっくり見る時間はなかったけれど、巨躯を覆う分厚そうなうろこや、数メートルはあろうと思われる翼、そしてなによりトカゲじみたあの姿はドラゴンというものではなかろうか。

 ドラゴンってこんな簡単に出会えるものだと思わなかった!

 錬金術師としては、血の一滴に至るまで無駄にならない貴重な素材の塊に心が揺れる。

 そうはいっても、まず命がなければ錬成できない。

「アルト! 次のやつ!」

「ぴう!」

 カバンの中に手を突っ込むと、中に引っ込んでいるアルトが私の手に小瓶を握らせる。

 中身を確認する余裕もなく、歯で蓋を噛んで開けて一気に飲み干した。