魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 まだ見ぬ世界に心をときめかせる私を、エミリアがぞっとしたような目で見る。

 たしかに、貴族の女の子がこんな冒険を好むとはちょっと思いがたい。

「気持ち悪い」

「そうだろうね」

 エミリアはいつだってまっすぐ、私を拒絶した。

 悲しく思ったのは小さい頃だけで、今はもうなんとも思わない。

「もう会うことはないだろうけど、元気でいてね。オーウェン王子と末永くお幸せに」

 あんまり長話しても、お互いのためにならない。

 だからエミリアの横を通り抜けて、今度こそ門の外へと足を踏み出した。

 今日から私は、リネット・ピリア・メルヴィルではなくなる。