魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 ──と、るんるん気分で伯爵家の屋敷と外を隔てる門を通ろうとした時、今帰ったばかりらしいエミリアと鉢合わせた。

「そんな格好で、どこかに行くつもり?」

 エミリアは私の自由すぎる格好を見て、露骨に侮蔑の表情を浮かべた。

「リネットみたいな人がメルヴィル家の人間なんて、信じられないわ。カバンにネズミを入れてお出かけなんて、今度こそどうかしてしまったのね」

 ネズミと言われたアルトが、『ぷぺ』と鳴いている。これは嫌がっている時の声だ。

「ネズミじゃなくて友達。……って言っても、どっちにしろどうかしたようには思うよね。でも安心して。私、今日からもうメルヴィル家の人間じゃないから」