魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 だけど二度目の人生なら好きなだけ声を出せる。

「んー……あー……」

 記憶にあるよりもずっと細くて高いし、腹筋に力が入らなくて安定しない。

 喉も〝通っている〟感じがしなくて、閉塞感があった。

 だけど、このまま思い切り声を出したら、とても気持ちいいだろうというたしかな予感がある。

 すっと息を吸い、歌い慣れていない喉を震わせて、室内に満ちる音に私自身の声を溶け込ませる。

 ──きれい。

 私の〝音〟ではなく、それを加えた音の本流が、である。

 空を覆う雲を残らず払い、澄み渡る青で染め上げるような音だ。

 もしも天使がいるとしたら、きっとこんな音色の金の鈴を持っている。