魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

「少なくとも冒険中に料理は学ばなかったらしいな」

 嫌味たっぷりの言い方にむっとして、弄ばれているアルトに指示を出す。

「アルト、思いっきり噛んでいいよ」

「ぴぷぷ!」

「僕はか弱い錬金術師だぞ。よくそんなひどい命令ができるな」

 白々しい言い方がおかしくて笑うと、ノインもつられたように微笑した。

 私が家を追い出されてから、まだたった一年しか経っていない。これまでに経験したすべては、私の知識として大切にしていきたい。

 出会った時とは違う、ノインに対しての淡い感情も。

「……追い出されるまでは、そばにいていいんだもんね」

「なにか言ったか?」

「なんにも言ってないよー」

 もう私は誰にも奪われないし、自分の大事なものを奪わせもしない。

 楽しい人生は、まだまだ始まったばかりだ。