魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 ちょっとだけ寂しい気分になって、気持ちを切り替える。こんなことを考えるために、ここへ来たわけじゃない。

「たぶん、私が家を出た後にエミリアがここに来てるの。ここへ置いていったアルトのレシピを持っていたから」

「ああ、燃えたやつか」

 親善試合の日、気絶したエミリアの手を離れたレシピは、ドラゴンの炎に焦がされてしまった。燃えカスを発見した時は切なくなったけれど、私自身の手で暖炉にくべたのだ。

「ほかはなにも持っていない……みたい? アクセサリーの魔道具はなくなってるけど、それぐらいなら別にいいしね。思ったよりきれいなままでよかった」

「……だがおまえは、ここを失くすつもりだろう」