魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 未完のレシピに枚数を書き入れ、そこには記されていないもうひとつの素材を探しに、その場を離れる。

 本来ならば、錬金術の作業中に錬成具のそばを離れるなんてもってのほかだ。

 だけど師匠のレシピには素材が不足している。未完だということを考えると、最後の素材がわからなかったか、あるいは書き記す途中でここを離れる事態になったかだろう。

「D(デー)のおとがほしいな……」

 〝レ〟の音を探し、今日までにこつこつ錬金術で聞いた音の数々を思い出す。

「……あ。たしか……」

 部屋の隅にある木箱を開け、ごちゃついた中身に手を突っ込んだ。