魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 前世、理科の授業で使うアルコールランプのにおいが嫌いだったから、なんのにおいもしないこの魔道具はとてもありがたかった。

 炎の調節も楽で、つけるのも消すのも指一本。現代日本に持って帰れるのなら持って帰りたいけれど、まず大前提として私は帰りたいと思っていなかった。

 ──錬金術で遊んでいたほうがずっと楽しいしね。

 やがて魔道具の力で溶けたレタウ鉱石がこぽこぽと音を立て始める。

 その液体によってエドルドラゴンのうろこも融解した。

 素材が分解され、ふたつがひとつになっていく。

 そうすると、私の耳にはいつも不思議な音が聞こえた。

「〝A(アー)〟と〝F(エフ)〟だね」