魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 凝縮された魔力の気配が、ただでさえ嘔吐感に襲われていた私の胃を揺さぶった。魔法適性ゼロの私でさえ酔いそうになる、濃すぎる力だ。

「いつになったらネズミが出てくるのよ。リネット、あんたがこのレシピに書き加えたんでしょ!? 私を騙したの!?」

 勝手に師匠のレシピを持ち出し、止めるのも聞かずに、間違った錬金術を行ったのはエミリアだ──。

 声を出そうとするだけでもつらくて、ぐっと堪える。

 こんな異様な魔力を生み出して人が気づかないはずがなく、遠くからざわめきが聞こえた。その中にはアベルの声も交ざっている。

ほっとしたのも束の間、不意に空が真っ暗になった。