魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 喉に手を当て、軽く咳払いをしてからお腹に力を入れる。揺らぎ、変化する音の波に自分の声を寄せて響かせ、置き去りにされないよう歌を紡いだ。

 観客の声も、錬金術師たちが作業をする音も、遊んでもらってご機嫌なアルトがぴぷぴぷ鳴くのも耳に届かなくなる。

 錬金術も好きだけど、歌うのもやっぱり好きだなあと思った。

 前世、私の声を褒めてくれた音楽の先生にも届いたらいいのに。

 『夜の女王のアリア』は歌えなくても、私は違う世界でとても素敵な音楽に出会った。この世界で、今まで聞いたことのない新しい歌を探したい。

 だってね、先生。私の歌で薬ができたり、魔法の石を作れたりするんだよ。