魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 いつもの不機嫌そうな顔をやめて、兄と同じように愛想のいい笑みを振りまいたら、ノインにだって黄色い歓声が沸くだろう。

 そう考えて、なぜか胸がちりっとした。

「やだな、ちやほやされてるノインを見るのは」

「安心しろ。一生見ないから」

 前を向いていたノインが、ちらっと私に視線を向ける。

「僕のそばにいる女は、おまえだけで充分だ」

 聞き慣れた声がやけに甘く響いた気がして、じわりと頬に熱が集まる。

 ノインが私を特別扱いするのは初めてじゃないのに、今の言葉は日頃聞くものと種類が違うように思えた。

 胸がどきどきして、ノインの目を見返せない。