魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

「まだ私の出番までは時間があるんだって。だから出店を見に来たの。そこそこ人がいるし、ここなら危ない目に遭っても対処しやすいかと思ったんだ」

 手を離してもらい、両側に出店が並ぶ道をふたりで歩き出す。

「妙なところだけ自分を過信するんだな。せめて僕にひと言残してから行け」

「だってどこにもいなかったんだもん。アベルの隣にいなくていいの?」

「あいつの横にいると目立つ。女に囲まれるのも好きじゃない」

「ああ……今はすごそうだね」

 日頃から接しているせいで忘れがちになるけれど、ノインはアベルに匹敵するぐらい美形だ。影を感じさせる憂いを帯びた雰囲気は、一定の需要を感じさせる。