魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 人々がそちらに集中しているからか、最初は混んで見えた出店周辺がかなり歩きやすくなっていた。

 どうせなら食べ歩きでもしようかと思った時、後ろから腕を掴まれる。

「やっと見つけた」

 少し息を切らしながら言ったのは、ノインだった。

 灰色のマントで身を隠しているけれど、隙間から見え隠れする服はいつもの愛想のない作業ローブと違い、銀の刺繍がしてあった。

「どうして天幕でおとなしくしていないんだ。昨日なにがあったか忘れたわけじゃないくせに──」

「ノインも正装を着てるの? 見たい!」

「……お気楽な奴だな」

 ノインは私から手を離すと、マントを留めていたブローチを外した。