魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

「変な触り方をしないなら握ってやる」

「嫌なら、ぎゅってしてくれてもいいよ。ノインにされると安心するから」

 彼が助けに来てくれた時の安心感を言葉にするのは難しい。

 ノインの体温に包まれて、もう大丈夫だと心から思ったのだ。

「しない。子供でもあるまいに、甘えるな」

「怖い思いをしたんだから、ちょっとぐらい甘やかしてくれても……」

「そんなことを言う余裕があるなら、もう大丈夫だろう」

 立ち上がったノインが、裾を軽く払ってから椅子に座る。

「明日の出場は辞退しろ。ほかになにを仕掛けられているかわからないしな」

「……逆に出場したくなったんだけど」