魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 片手で重い剣を握るのは厳しいのか、身体を揺らしながらも私に向かって振りかぶる。

 ──冗談だって、誰か言ってよ。

 こんな寂しい路地裏で、無残に殺されるのが私の人生だなんて絶対に嫌だ。

 逃げなきゃ。でも、足が動かない。

「逃げて、アルト」

 声を張り上げることもできず、大事な友達だけは守ろうとカバンに向かって告げた。

 私に向かってゆっくりと剣が振り下ろされる。

 この感じ、前にも見た。

 前世で死ぬ直前、階段から落ちた時にもこんなふうに時間が緩やかに動いていたっけ。

 じゃあやっぱり私はここで死んじゃうんだ。