魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 頭の中で自分に言い聞かせるも、自分がしてしまったことに気を取られ、足に根が生えたように動けない。

 ノインの言う『万が一』は、魔物相手だと無意識に信じていた。

 ここに来てから私を直接害そうとしたのは魔物ばかりだったから。

 私はまさにこの街で、同じ人間に騙され、痛い目を見たんじゃないか。なのにどうして、人間は安全なものだと思い込めたのだろう──。

「ぴぷ!」

 また、アルトの鳴き声が私を現実に引き戻した。

 地面に転がっていた男が、剣を支えによろよろと立ち上がる。

 左腕は爆風をもろに受けたのか、だらんと下がって動く気配を見せなかった。服が焼け、覗いた肌がただれている。