魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 手のひらの中に転がり込んだ丸いもの。万が一の時にとノインに持たされていたそれを、慎重な手つきで取り出す。

 以前、ストラスと呼ばれる魔物と対峙した時に使ったものを改良した。

 半円にしたガラスの玉に二種類の液体をそれぞれ入れ、組み合わせてひとつの玉にしたものだ。これならばひとつ投げるだけでこと足りる。

 カバンの中に入っているのはたったひとつだけ。これを外したら、後がない。

 残りふたりの男の姿は見えないけれど、ひとまずこの状況を脱しなければ。

「獣はどこにいる?」

「言えば、逃がしてくれるんですか」

 男の隙を誘おうと、声に応えてみた。