魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 こんなところでぼんやりしてどうする。私がアルトを守らなければいけないのに。

 すぐに来た道を戻ろうとするも、動かそうとした足は止まったままだった。

 三人いた男のうちのひとりが、細い路地裏を抜けて近づいてくる。

「こんなとこまで逃げやがって」

 逃げ道は男の背後にしかない。このままだと捕まってしまう。

 捕まるぐらいならいいけれど、それ以上に恐ろしい目に遭ったらどうしよう。なにが起きるかなんて、想像したくもない。

 男から目をそらさず、カバンの中を手で探る。

 ふるふると震えるアルトが、私の指先をかすかに舐めた。

 ──あ、これならもしかして。