魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 ここはどこだろう? 私はどこに向かって逃げているんだろう? こっちの道でいいの? なんでもいいから、早く誰か助けて!

 必死に逃げた先で、不意に足が止まる。

「……噓でしょ」

 目の前には大きな石造りの壁があった。私の背をゆうに超えていて、とても乗り越えられる高さではない。

 肩で息をしながら、呆然と壁を見上げる。

 足を動かさなきゃ。この場を離れなきゃ。

 わかっているのに、頭が真っ白になって身体が動かない。

「ぴう!」

 私の異変に気づいたのか、カバンの中から顔を出したアルトが鳴いた。

 はっと意識を取り戻し、心強い味方を見下ろす。

「ごめん、ありがとう」