魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 どう考えたって、妙な真似をしようとしているのは向こうのほうだ。

「錬金術の力を底上げする幻獣とやらはどこにいる?」

 この男たちの目的は、アルトだ。

 そう気づいた瞬間、私は勢いよく窓の外へ飛び出した。

「くそっ、逃がすな!」

 すぐに声が遠ざかり、身体が湿った藁に包まれる。

 落ち方が悪かったせいか、自分の肘で強くお腹を打ってしまった。だけど痛みに悶えている暇はない。

 アルトを守らなきゃ。

 夜も遅く、通りに人の姿は少ない。誰かに助けを求めようにも、どこに行けばいいのか見当もつかなかった。

 背後を気にしながら、無我夢中で真っ暗な道を駆ける。