魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 家を出た時に身に着けていた斜めがけのカバンを肩にかける。

 持ち物が少なくてよかった。なにかがあったとしても、すぐに動けるから。

「ぴぷう?」

「ちょっとね。なんか……変な感じだから」

 隣の部屋の扉を勢いよく叩く音がして、びくりと肩が跳ねた。

 次いで、人が怒鳴る声と床を踏み鳴らす乱暴な足音が聞こえる。

 嫌な予感がますます強くなった。明日の試合のために、伝え忘れていたなにかを教えに来てくれた……とはとても思えない。

 部屋の窓を静かに開け、半分だけ身を乗り出す。

 ここは二階だけど、部屋の真下には藁の束が積んであった。これなら飛び降りても怪我はない。