魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

「おまえなんかいつでも素材にしてやれるんだからな」

「ぷぺ!」

「あなたもアルトを煽らないで!」

 突如、豹変したアルトは、ノインから目をそらさずに私の手の中に潜り込む。

「急にどうしたんだろう? 夜遅いから、気が立ってるとか?」

「少なくとも、今後僕とはうまくやっていけないことがわかったな」

「そんなこと言わないで。仲良くしてね」

「僕じゃなくてそいつに言い聞かせろよ」

 ふい、と顔を背けたノインが席を立つ。

「待って。怪我の手当てを……」

「いい。また攻撃される気がする」

 部屋を出ようとしたノインが振り返り、私ではなくアルトを見た。