ふわふわの毛並みを撫で、耳の後ろを指で掻く。この心地よい感触はいつだって私の心を救ってくれた。
「おまえが離れている間、幻獣も外には出なかった。いつも僕といたからな」
「ぴぷぺぴぴぷ」
「生家から連れて来たと言っていたな。おまえが知らなかっただけで、幻獣の存在を知られていたんじゃないか?」
「ありえなくはない、けど……」
私がなにも言わなくても、アルト自身が私以外の人間を避けていた。
呼ぶまでベッドの下に隠れていたし、妙な生き物がいるとメイドが騒いでいるのも聞いたことがない。
「あ、でも……エミリアは知ってる。家を出る時、妹にアルトを見られてるの」
「おまえが離れている間、幻獣も外には出なかった。いつも僕といたからな」
「ぴぷぺぴぴぷ」
「生家から連れて来たと言っていたな。おまえが知らなかっただけで、幻獣の存在を知られていたんじゃないか?」
「ありえなくはない、けど……」
私がなにも言わなくても、アルト自身が私以外の人間を避けていた。
呼ぶまでベッドの下に隠れていたし、妙な生き物がいるとメイドが騒いでいるのも聞いたことがない。
「あ、でも……エミリアは知ってる。家を出る時、妹にアルトを見られてるの」

