魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 最初はなんのことかわからなかったけれど、似たような話を持ち掛けたのはひとりやふたりではなかった。

 彼らの話から、アルトの力で私が錬金術を行っているという噂が広まっているのを知った。新しい薬や、質の高いポーションも私の功績として認めていいのか、と疑問を抱く声も上がっているらしい。

「おまえはうかつだし、鈍いし、抜けたところも多いが、分別がない奴だとは思わない。僕が言った通り、アベルにも幻獣の話をしなかっただろう。だから、おまえではない別の場所から漏れたんだ」

「ぴう!」

 アルトが『そうだそうだ!』と言いたげに、私の膝の上で立った。