うなだれた私の膝の上で、アルトが不満げに鳴く。
こと、とテーブルにカップを置く音が聞こえて顔を上げると、ノインがいつものように甘いお茶を用意してくれていた。
「いい加減、辛気臭い顔をやめろ。起きたことを悔やんでも仕方がないだろう」
「うん、そうだね……」
淹れたばかりの熱いお茶を口に運び、窓の外を照らす月を見る。
今日の午後、王都に出かけた私は、錬金術師だという男に絡まれた。
『どんな錬金術も必ず成功させる、奇跡の獣を連れているんだろう? 頼む! 金ならいくらでも出すから、俺にその獣を譲ってくれ!』
こと、とテーブルにカップを置く音が聞こえて顔を上げると、ノインがいつものように甘いお茶を用意してくれていた。
「いい加減、辛気臭い顔をやめろ。起きたことを悔やんでも仕方がないだろう」
「うん、そうだね……」
淹れたばかりの熱いお茶を口に運び、窓の外を照らす月を見る。
今日の午後、王都に出かけた私は、錬金術師だという男に絡まれた。
『どんな錬金術も必ず成功させる、奇跡の獣を連れているんだろう? 頼む! 金ならいくらでも出すから、俺にその獣を譲ってくれ!』

