魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 きっとあれに秘密があるに違いない、と姉に嫉妬と憎しみを募らせるエミリアは、瞳に暗い色を浮かべる。

「変な生き物?」

 伯爵夫人が不思議そうに言う。

「家を出て行く時に連れていたの。たしか──」

 エミリアは才能のある少女だったから、たった一度見ただけの生き物の姿を鮮明に思い出すことができた。

 彼女は両親だけでなく、パーティーに訪れていたほかの貴族たちにも、リネットの活躍の秘密をおもしろおかしく語る。

「すごいのはあの生き物であって、リネットではないのよ」

 言葉を重ねた彼女の中で、それは真実になっていった。



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「ぷぺ」