きっとあれに秘密があるに違いない、と姉に嫉妬と憎しみを募らせるエミリアは、瞳に暗い色を浮かべる。
「変な生き物?」
伯爵夫人が不思議そうに言う。
「家を出て行く時に連れていたの。たしか──」
エミリアは才能のある少女だったから、たった一度見ただけの生き物の姿を鮮明に思い出すことができた。
彼女は両親だけでなく、パーティーに訪れていたほかの貴族たちにも、リネットの活躍の秘密をおもしろおかしく語る。
「すごいのはあの生き物であって、リネットではないのよ」
言葉を重ねた彼女の中で、それは真実になっていった。
***
「ぷぺ」
「変な生き物?」
伯爵夫人が不思議そうに言う。
「家を出て行く時に連れていたの。たしか──」
エミリアは才能のある少女だったから、たった一度見ただけの生き物の姿を鮮明に思い出すことができた。
彼女は両親だけでなく、パーティーに訪れていたほかの貴族たちにも、リネットの活躍の秘密をおもしろおかしく語る。
「すごいのはあの生き物であって、リネットではないのよ」
言葉を重ねた彼女の中で、それは真実になっていった。
***
「ぷぺ」

