とある侯爵家で開かれたパーティーでは、既に一族を追放された少女の話題でもちきりだった。
選ばれた貴族のみが参加を許されるそこに、メルヴィル一家の姿もある。
しかし、彼らの表情は娘の――長女リネットの名を囁かれるたびに引きつった。
表向きには錬金術を究めるために旅立ったことになっており、追放したと知っているのは家族たちだけだ。もっとも、使用人たちは彼らがリネットにどう接していたかを見ていたから、学びの旅に出したという言葉を信じていなかったが。
「たかが錬金術師程度を、どうしてそんなにありがたがるの?」
選ばれた貴族のみが参加を許されるそこに、メルヴィル一家の姿もある。
しかし、彼らの表情は娘の――長女リネットの名を囁かれるたびに引きつった。
表向きには錬金術を究めるために旅立ったことになっており、追放したと知っているのは家族たちだけだ。もっとも、使用人たちは彼らがリネットにどう接していたかを見ていたから、学びの旅に出したという言葉を信じていなかったが。
「たかが錬金術師程度を、どうしてそんなにありがたがるの?」

