魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 いつも私が触るせいで、これだけきれいになったのだろう。

 ──もともと隠されていたものだし、誰かに見られても怪しまれないように気を遣うべき?

 本を手に取って、本棚の奥に手を伸ばす。

 そこには意識して初めてわかるほど微かな突起があった。

 ぐっと押すと、背後の本棚が扉のように左右に開く。

「いつみても、へんなかんじ」

 これぞ魔法と呼ぶべきか。でも私はこの仕掛けを作ったのが魔法師ではないことを知っている。

 本を丁寧に棚へと戻し、現れた入口が再び閉ざされる前に中へ入る。

 大理石のような乳白色の廊下を過ぎると、奥には小部屋がひとつだけ。