魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 地下といっても、辺りは真昼のように明るく視界に困ることはない。

 これも魔法のおかげである。本来、魔法というものは、魔石と呼ばれる石に込めるなどの方法を使わなければ、人の手を離れて発動し続けることが叶わない。

 どういった手段によって大書庫の魔法が保たれているのか。不可能だとされていることを可能にしているから、メルヴィル家はこのカーディフ国で最も優秀な魔法師の一族とされているのだろう。

 地下一階の一番奥、生活魔法について記された魔導書が並んだ本棚の前に立つ。

 台を使わなくても手が届く下の棚に、一冊だけ埃をかぶっていない本があった。