魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

「それはそうだけど!」

 思わず手に力が入って、火炎蟹の爪の先が欠ける。この後で粉々に砕くから構わないとはいえ、一瞬ぎくりとした。

「ふたりとも仲がいいな。お兄ちゃんはうれしいぞ」

「うるさい。なにを見て仲がいいなんて言っているんだ。目が悪いのか?」

 ノインの辛辣な言葉もアベルには響かない。

 賑やかで楽しい時間はあっという間に過ぎていった。



 午前中には商人に卸す商品の製作を、昼食後は勉強と依頼の品作りを、夜は自由時間を過ごし、駆け抜けるようにひと月が終わる。

 再び城を訪れた私の手には、ノインと研究に研究を重ねた完成品の薬があった。