魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 もう私は出来損ないじゃないんだという思いが、今さら込み上げる。

 ノインに出会う前の私なら、素直にはしゃいで喜んでいたかもしれない。

だけど私は、彼に『才能に呑まれるな』という言葉をもらった。

喜ぶだけじゃなく、冷静に自分を見つめて反省点を洗い出し、次に生かす。

大容量を錬成する方法に、水を短時間で浄化する方法、本格的に麻酔薬の開発にも取り掛かったほうがよさそうだ。

あとは……。

「あっ」

「どうした?」

「ミカガミガメの肝、置いてきたままだ」

 アベルがきょとんと目を丸くしてから、軽く噴き出した。

「心に余裕が出てきたな。よかった」