魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

「一生なんて! そもそもあれはエリクサーじゃなくて、ただのポーションだよ。だから気にしないで。元通りに治ったならそれで──」

 かたん、と後ろで音がしてそちらを見る。

 恰幅のいい男性が、持っていた木製の桶を落としたところだった。

「ただのポーション? あの薬が?」

 女の子が『パパ』と声を弾ませて、男性に駆け寄る。

「じゃあ、あなたから買いつければ、あの薬の取引ができるということですか……?」

「ちょっと、こんなところで商売っ気を出さないでちょうだい。──ごめんなさいね。この人、頭の中が商売のことばっかりで」

 アベルに視線を向けると、こそっと耳打ちされる。