魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 その姿に、ふっと大きな影が差した。

「危ない!」

 叫んだのは私だったのか、それとも別の誰かだったのか。

 駆け寄ろうとした村人の身体が、横向きに吹き飛ぶ。

 なにが起きてるの?

 そう言いたかったのは、きっと私だけじゃない。

 私たちは危険な状態にある。でも、なにが私たちを追い詰めているのか見えないのだ。

「一か所に固まるな!」

「ストラスだ! 音に気をつけろ! 羽音が近づいたら、すぐその場を離れるんだ!」

 混乱のさなかに指示が聞こえるも、ひとり、またひとりと悲鳴をあげて地面に倒れ伏す。強い腐臭の中にむせ返るような鉄臭さが交じり、ひどい吐き気を催した。