魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 と、言ったところでしょうがないから言わない。

 ……気にしていても、『しょうがない』は無意識に出てしまうようだ。悔しい。

「だったら、もういいわ。あとはひとりでやれるから、あなたはじゆうにしてちょうだい」

 偉そうな言い方になっただろうかと、ちょっと心配になる。

 でもメイドは、今日一日の仕事がなくなるらしいと知って、急に愛想のいい笑顔を浮かべた。

 五歳児に言われて本当にその通りにするのは、正直どうかと思う。

目を離さないでおくのが大人の役目じゃないかと思うけど、大人として責任感のある人は、そもそもこんな子供に意地悪などしないはずだ。