魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

残念ながら、魔法師一族なのに魔法に興味を持てず、両親からも変わり者扱いされる私を、エミリアは嫌っているようだった。

だけどそれでもいい。妹に優しい姉であることが、二度目の人生の目標のひとつなのだから。

「じゃあ、わたしはすきにしていいのね?」

 鏡でふわふわの髪を整えた後は、ベッドから出てスリッパを履いた。

「え、ええ。そうですけど」

 メイドが私を見て驚いたように目を丸くする。

 いつもなら他人の手を借りないと着替えもままならない私が、ひとりでさっさと服を着ていることに驚いたのだろう。

 中身が十七歳なのに、服を人に着させるわけがないじゃない?