「どれほどの人間に疎まれ、憎まれ、嘲られようと構わないね。アベルのうるささに比べたら、風の音と変わらないよ」 「どうしてそこまでできるの? いろんな人に嫌われるなんて……」 煙たがる言動とは裏腹に、ノインはこれ以上ないほどアベルを深く想っている。兄のためなら自分は嫌われ者でもかまわない覚悟は、私にとってあまりにも重く映った。 「僕が生まれた時、喜んだのがアベルだけだったからだ」 「え……」