魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 わからないだけなら、そのうち頭が追い付くかと思っていたけれどそんなこともなく。

 よって私は、できないことを無理にやろうとしてもなあと早々に諦めてしまった。

 諦めばかりの人生を送ると、前世の記憶がなくても諦めやすい性格になるようだ。

「どっちにしろ、今日のお勉強はエミリアお嬢様だけですよ。メルヴィル家の後継者としてふさわしいお方ですからね。どこかの変わり者とは違って」

 メイドの嫌味っぽい言葉は無視する。

反応するだけ時間の無駄だし、この程度で傷つくほど甘い前世を送っていない。

私をいじめて傷つけたいなら、大好きな音楽と命を奪う以上のことをするべきだ。