……せっかく二度目の人生なんだから、しょうがないという言葉は使わないでおこう。

 それは前世の私を最も傷つけた嫌な言葉だから。

「勉強? リネットお嬢様がする必要ないですよ。どうせ意味ないんだから」

 吐き捨てるように言われ、内心苦笑する。

 私は魔法師──つまり魔法を扱うエリート一族に生まれながら、魔法というものにまったく興味を持てなかった。

 前世の記憶がよみがえった今も、そんなに心を惹かれない。

 まあ、たしかに手から火や水が出たらおもしろいかもしれないけれど、現代の日本には似たようなことを可能にする技術があったでしょ。