魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 光に透けた髪は明るい黒。すっきりと短く整えられ、清潔感があった。

 ドラゴンに向かって単身飛び込んだ彼の手には、淡い光を放つ長剣が見える。

「ガアアアッ!」

 彼が剣を振るうと、硬いはずのドラゴンの皮膚がすっぱり裂けた。

 それを見た私は、不謹慎にも『お箸で切れるほどやわらかいステーキ』を思い出した。

 長剣についた血を振って払うと、彼は息も切らさず再度ドラゴンに立ち向かう。

あんなにおそろしく見えたドラゴンが、彼の前では抵抗も許されない。

 もしかして、名のある冒険者かなにか? だとしたら私はとてもラッキーだ。

「あっ!」