魔力ゼロの出来損ないとして追放されましたが、二度目の人生は隣国の王家お抱えチート錬金術師になりました

 そんなツッコミを入れる前に、背後でものすごい轟音が鳴る。

 思わず足を止めて振り返ると、片方の翼が焼けただれたドラゴンが何本もの大木をなぎ倒して、地面に倒れ伏していた。

「も、もったいない……!」

「ぷぺ」

 咄嗟に出た錬金術師としてのひと言に、『そんな場合?』とでも言いたげな鳴き声が重なる。

 だってしょうがないじゃないか。ドラゴンの翼は翼爪も被膜も、縁のうろこも全部貴重な素材なのだから。師匠の図録にも、完璧な保存状態のものはめったにお目にかかれないとあった。

「離れていろよ」

 あ、と声をあげる間もなく、私の目の前にひとりの男性が立つ。