勇気を出した私に、無表情の読めない顔を向けてくる。
「木嶋右京」
「木島さん、」
「右京でいいよ」
「う、右京さん」
何を考えてるか分からないひと
「あの、助けてくれありがとうございます」
「こんな奴にお礼を言うなんてな、ただの親切かわかんねーよ」
にやっと悪い顔をした。笑ったりするんだ。
いや、これを笑うっていうのは違うか?
「俺がなんの仕事してるかわかる?」
「え、」
「夜中にあんな所にスーツでいるって普通じゃないだろ?」
ドクドクと焦燥にも似たなにかが私の体の中で蠢いた。
「、、、ャ、ヤクザ?」
1文字ずつ様子を伺いながらゆっくり言った。
実は、薄々気づいていた事だ。
あんな所って言うのはさっきまでいた、繁華街のこと。
ヤクザというものがいかにも似合いそうでそうだったら腑に落ちる。


