聞いてないよ、右京さん




言っている意味が分からなかった。


いや、正確には理解が出来なかった。


だって、そんなことあるはずがないからだ。


蓮斗が調べても情報が出てこない奴なんて、裏社会で生きてるような奴だ。


瑠璃ちゃんは何者だ?


でも、彼女はそんな風には見えなかった。


何か抱えているようだったけど、裏社会で生きているような感じではなかった。


だとしたら、誰かが意図的に瑠璃ちゃんの情報を消した?


でも、そんなこと出来るやつだって限られている。



「若、ほんとに大丈夫なんですか?」


「監視はつける」


「わかりました」






蓮斗を帰し、1人になった部屋で深くため息をついた。



床から天井まで広がる大きな窓から暗く染まった空を見あげた。


暗闇の中で満月が鬱陶しい程輝いて見えた。


電気の消えた暗い部屋に入ってくる月明かりに身体が疼いた。