聞いてないよ、右京さん




きっと夜中まで帰ってこないけど、12時近くまで待ってみよう。


そう考えていたのに、玄関の扉が開いたのは10時頃だった。


予想外に早い帰宅に動揺した。


え、ちょっ、心の準備がまだ、


リビングに迫ってくる足音にドキドキと心臓が高なった。


ガチャ


「お、おかえりなさいっ」


何気にあの日以来、初めての会話だった。


「、ただいま」


驚いたような顔をした右京さんは少し間をおいて返事をした。


「あの、夕ご飯食べましたか?」


「いや、まだだけど、」


やけにテンションの高い私は間をあけるのが怖くて次から次へと言葉を紡いだ。


「私が作ったんですけど、食べませんか?」


「瑠璃ちゃんが?」


「はい、!嫌、ですか?」


「いーや、食べるよ」


良かった。ほっと息を吐き出し急いで準備をした。