婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

 息子の婚約解消による騒動と、嫡男ではない息子の魔法学園の退学だけなら、賠償金や援助金の返済などでどうにかなった。借金を抱えることになったかもしれないが、何とか立ち直れたかもしれない。
 けれど、リースが帝国と通じていたことが致命的となった。
 まだすべてが明らかになっていないため刑は確定していないが、おそらく投獄させることになる。さらにリースの計画が悪質だと判断され、国家反逆罪になど問われたら、その罪はリースひとりだけで済まなくなる。
 そこでサーマ侯爵は、爵位と領地を国に返上することに決めた。
 取り潰しではなく自ら返上するのであれば、それ以上罪に問われることはないだろう。
(よかった、と言ったらいけないのかもしれないけれど)
 その咎が、リースひとりで終わったことに安堵する。
 彼には同情しない。受けた仕打ちを考えれば、リースは自業自得である。
(でも……)