婚約者が浮気相手と駆け落ちしました。色々とありましたが幸せなので、今さら戻りたいと言われても困ります。

「だったら少し、休ませてもらう」
 サルジュはそう言うと、最初と同じようにアメリアの肩にもたれかかる。
「え、サルジュ様。さすがにここでは……」
 床に座ったままだったと思い出して、はっとする。
彼をこんなところで休ませるわけにはいかない。それなのにサルジュは、あっという間に眠りに落ちてしまったようだ。
 やはり最近、無理をしていたのだろう。
(どうしよう……)
 彼にはゆっくり休んでほしい。
 けれどこんな場所で休ませていいものかと、迷う。
 結局昼休みになってユリウスが探しに来るまで、そのままの体勢でいるしかなかった。

「ああ、悪かった。肩が凝っただろう」
 そう言って謝ってくれたのは、サルジュではなくユリウスだ。彼はまだ眠ったままのサルジュを医務室に運んでくれた。
 ようやく彼をベッドで眠らせることができて、ほっとする。