「え、えっとですね、ちょっと近い——」

「危ない!」


少し距離を取ろうとすると、バッと抱きしめられるような形に入って、壁へと追いやられた。

車が通って行ったけれど、正直危ないと言う距離ではなかったと思う……。


「ふぅ……大丈夫?」

「う、うん大丈夫だよ」

「あれ……?顔赤い?」

「ううん赤くない」


全然赤くないよ、どうしたら赤く見えるのか不思議なくらい赤くない。


っていうか、真っ青かもしれない。


こんな王子様と、抱きしめているような体勢になるだなんて。


こんなところ、私の幼なじみに見られたら——