神様、この恋をよろしくお願いします。

悠と2人きり、チャイムが鳴るまでまだ少しある。

どうしようかな、何を言おうかな。

「こなっ」

「あっ!」

「なんだよ、急にでっかい声出すなよ!」

「あ、ごめん!悠に言おうと思ってたこと思い出したの!」

「言おうと思ってたこと?何?」

あの時は絵空事でちゃんと聞いてなくて、あとからもう一度教科書を読み直した。

「こないだ理科の授業で習ったの!」

どうしても気になったから、もう一度ちゃんと知っておきたくて。

「ねぇ空気って知ってる?」

「は、何の話?」

「空気って約8割が窒素で約2割が酸素なんだって!酸素がないと人間は呼吸ができないから、空気がないと人間は生きられないんだよ!」


“俺が空気だったんだよ”


「あたしは、悠がいないとい生きてけないよ」

「…。」

あたしがいる、あたしがいるから…

あたしが悠の希望になれるように。

「毎日教室に来てね、今度は毎日あたしが会いに行くから」

あたしはずっと、ここにいるから。


悠の隣に。


もうそれだけでいい。


悠はあたしのことどう思ってるのか、気になるといえば気になるけど…  


隣にいさせてくれたらそれでいいの。


—キーンコーンカーンコーン…

「あ、予鈴鳴っちゃった!戻ろっか!遅れたら委員長に怒られちゃうよねっ」

立ち上がってパンパンとスカートを払った。

さぁ、午後の授業が始まる。

また気合入れてかなきゃ。

そしたら今日も悠と一緒に帰って、今日こそは一緒に遊ぼうって約束して…

そんなことを考えながら教室に向かおうと、歩き出す。

「小夏!」

「ん?」

後ろから呼んだ悠の声振り返った。








「好きだよ」